ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)

本書の主題はゲーデルの哲学で、不完全性定理についてはだいたいイメージをつかむのが重要だというスタンス。
なのだけど、不完全性定理がだいたいどういったものなのかという解説が、僕が今まで読んだ初心者向け本では一番わかり易いと思う。

何か悩みがあったり、落ち込んだりした時には、宇宙や数学の本を読むのはいいですよ。買っておいて、なにか落ち込んだ時に開くといいのでわ。何度読んでも完全に理解するのは難しいということは、何回でも使えるってことですよ。

導入のパズルが秀逸。僕の読んだ入門書としてはNo1。

文化系トークラジオ Life のやり方

聴きだしてからもう4年ぐらいになるかな。ポッドキャストで毎月聴いている「文化系トークラジオ Life」の番組本。正直に言えば僕はあそこにいたいとは思わないけど、この番組の部室感は遠巻きに眺めているぶんには楽しい。

書き起こしも興味深いけど、長谷川プロヂューサーの導入エッセイが面白い。

これを読んでポッドキャストデビューもいいんじゃないかな。

半落ち

今頃ですが。読んでいなかったので。古書店で100円で買って来ました。あっという間に読み終わって、後には何も残りませんでした。
エンディングのエピソードも僕はそれほど感心しませんでした。

一気読みできるのは間違いないので、数時間の暇つぶしには良いと思います。100円で買えるし。

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー

往来堂のポップに惹かれて購入、あっという間に読了。

開成まで徒歩3分のところに4年暮らして、その後も徒歩圏で暮らしている身としては、そして元高校球児としては、読まずにいられないもの。

開成高校の野球部が珍妙だということがベースにあるようだけど、僕の感覚では彼ら高校生の言ってることの方が、高校球児時代の僕の感覚に近い。これに当惑してしまう大人(になってしまった僕)の方が不思議な感じもあります。

本を読んで吹き出したのは久しぶり。僕は生徒側の視点で読んで、あるあるがたくさん。かえって筆者の当惑ぶりが面白かったなあ。

藝人春秋

帰省のために新幹線に乗ろうとして、カバンの中にある本を確認しようとしたところ、何もない。一冊も持ってきていないことに気づいた。

慌てて東京駅構内を走って書店を探し、平台をざっと眺めたところ本書が目についた。パラパラみると2時間ほどの新幹線移動にちょうどよさそうな気がして購入。新幹線車内で読みだしたら没入してしまい、豊橋まであっという間に過ぎた。数日ぶりにあった子どもたちともちょっと遊んだだけですぐに本に戻り寝る前に読了。

まあ、いわゆる芸能人本とはちょっとレベルが違うので、抵抗ある人は文庫になってからでもいいから、読んでみるといいと思いますよ。

火山のふもとで

夏の間浅間山のふもとにある別荘へ事務所を移して仕事をする建築事務所の話。松家仁之氏のデビュー作。

愛おしい物語と静かで丁寧な語り口に深く魅せられた。読み返し必至。僕が今年読んだ中で最良の小説(実は今年はあんまり小説を読んでないのだけど)。

読みはじめからクレストブックス感を感じていたのはどうもあながち見当はずれというわけでもないらしい。松家氏はクレスト・ブックスの立ち上げに関わっていたとのこと。