今年の3月にさくらインターネットからLinodeへ移行した理由というエントリを書いた。内容は専用サーバを解約してLinodeにすべてのサイトを移行した理由を連ねたもの。このエントリでは半年後の9月に一部のサイトをさくら(のVPS)に戻した理由を書いておくことにした。次に何か別のサービスが出てきたときに見返すためにも。
Linodeは管理するための機能が洗練されていてとても使いやすい。iPhone/iPod Touch用の管理ツールまであってこの出来もすばらしい。
が、日本に一番近いデータセンターでもやはり遅延が気になる。AdSenseで稼ぎ頭のサイトが4月以降20%ほど稼ぎが減ったのは、遅延が理由じゃないかと推測している。特にたくさんのアクセスがあるサイトほど(=稼ぎのいいサイトほど)、遅延が影響しているように感じる。感じる、気になるばかりだけれど、ちゃんと計測したわけではないので。
将来Linodeが日本にデータセンターを設置することも考えにくい。
7月にさくらインターネットがVPSサービスのベータテストを始めたときに、すぐに申し込んだ。一番アクセスの多いサイトのシステムをセットアップして、負荷テストをしてみたところかなり速いことがわかった。特にネットワークはさすがに速い。移行に乗り気になっていたのだけれど、この時点では価格が公表されていなかったので様子見。
その後、サービス名がVPS980ということがわかって、一気に乗り気になる。だって980円/月ってことだよね。サービスはこの円高の中でもLinodeの一番安いメモリ、ディスクが同程度のサービスのだいたい半額かあ。9月の正式発表を待って移行決定。
結局、
- Linodeに移行したサイトのうち一番稼いでいるサイトだけをさくらのVPSに移行。
- Linodeで借りていたメモリ2GBのコースを1GBのコースに変更。
という構成に落ち着き、9月4日にはさくらのVPSで本番稼働をはじめた。
この移行作業で、
- 月々の支払いは約8千円弱から約5千円弱に圧縮できた。
- 某サイトのアクセスが8月よりも30%ほど伸びた=今年最高(季節要因もある)。
- 某サイトの9月のAdSenseの稼ぎが今年最高を記録した(季節要因もある)。
という成績。概ね移行は成功だった模様。
さくらのVPSに全部移行していないのは、
- LinodeのDNS Manager(とDNSサーバの管理)が秀逸で千円/月ぐらいはこのシステムの使用料のつもり。
- 他にも6つ運用しているサイトは遅延がそれほど問題にはならない(そんなにAdSenseにもアクセス数にも影響していない)。
- VPS980では全部のサイトを動かすにはメモリが足りない。VPSを分けると増えすぎて今度は管理が面倒。
- 今後さくらのVPSで別メニューがでてきたら、再考すればいいよね。
といった感じ。
先のエントリにも書いたけれど、そもそも、VPSの利点を生かせないこととコストの問題を除けば、さくらインターネットの品質、サービスには満足していた。さくらのVPSのサービス開始で先のエントリに書いた僕の不満はほぼ解消された。管理インターフェースのブラッシュアップと、早期の上位サービスの提供は期待したいところだけれど。