結局四巻全部読み終わるのに1ヶ月以上かかった。で、4巻目の中野好夫のあとがきを読んで、ちと、驚く。
「大地」、「息子たち」、「分裂せる家」の三部作は、これをひと纏めにして「土の家」三部作とも呼ばれる。
えぇ?そうだったの?
大地(1) でも書いたけど、確かに第一巻はそれだけで完結した長編小説として傑作。
正直言って、その後の三巻(二部)はそれぞれに面白いけれど、第一巻の余韻みたいなものがないとそれだけではなかなか面白い小説としては読めないと思う。
新潮文庫の表紙にも、どこにも三部作をひとつにまとめたものとは書いてないけれど、翻訳した中野好夫は一巻とそれ以降は小説としては別のものとみていた、ということか。
これは読み始める前に情報として知っておいてもよかったなあ。第四巻のあとがき以外のどこにも書いてなかったし、誰も教えてくれなかった。
とわいえ、読んで損をしたと思うような四部作ではないことは確か。
四巻全部読んで思うのは、第一巻に登場した一族の母阿蘭の存在感。性格は全然違うけれど「百年の孤独」のウルスラもそうだったなあ。母の存在感。